2026年6月8日の杉江松恋
2026年6月7日。
杉江松恋が今月書かなければならない原稿、やらなければならない仕事は以下の通り。
レギュラー原稿:週刊8・隔週刊1・旬刊2・月刊4
イレギュラー原稿:インタビュー1・文庫解説4・新人賞下読み1・企画書1
その他:動画撮影配信6・演芸会主催1・講師2
朝一番で松井ゆかりさんとの「エンタメ丼」を収録していたので遅くなった。昨日も書いたとおり、7日は國學院大學で開催されていた日本口承文芸学会大会に参加してきた。この日は研究発表会で、冒頭が牛鬼、次が蛇姫様伝承についてだというのだから楽しくて仕方ない。全部で七つの発表を聴いた後で、今度はベテラン勢いによる学会50周年を記念したシンポジウムがあって、知のシャワーを浴びまくった思いである。
国学院大学の教授でもあった丸谷才一は、書評家は学者になる必要はないが、先端の学説には常に触れておいて自分の仕事にそれを少しでも反映させるべきだ、という意味のことを書いている。このことがずっと頭にあったので、昨年思いきって日本口承文芸学会に入れてもらったのだ。年会費4千円はまったく惜しくない。むしろ学会誌をもらえるのでただのようなものだ。
この日は発表を聴いているうちに閃くものがあった。あ、これは仕事にできそうな気がする、ということで早速書き残しておく。発表者の方とも名刺交換をさせてもらった。発表の内容をそのまま仕事にするという意味ではなくて、その中で出てきた事例に学べるのではないか、ということだ。学会で特に名前を売るつもりもないので名刺をあまり持ってきてなかったのだが、なんとか足りた。よかった。
昼休みの時間に案内があって、なんと隣室に『口承文芸研究』のバックナンバーが積んであるので、無料で持ち帰っていいという。もちろん速攻で行って、あるものは全号いただいてきた。発表を聞きながらそれをちらちら眺めていると、ある論文の文章に目が止まり、息ができなくなるほどに驚いた。これ、前から考えていたことの裏付けになるのではないか。この観点から書かれた評論はまだ見たことがない。新たな著作に結びつけてもいい着想かも。そこまでうまくいくかどうかはわからないが、大興奮してスマートフォンで調べまくる。継続して調査が必要だ。
というわけで二つ、仕事にできそうかもしれない着想をいただいたのである。丸谷先生の言うとおりだ。学会には参加するものである。
この口承文芸学会に入ったのは、真鍋昌賢さんがいらっしゃるからだ。真鍋さんは大阪大学小松和彦研究室出身で、現在は北九州市立大学の教授である。学術界では数少ない浪曲の研究者で『浪花節 流動する語り芸―演者と聴衆の近代』(せりか書房)という著書もある。少し前から知己を得て何度かお話を伺ったのだが、数年前に『口承文芸研究』に発表された論文がおもしろく、後押しされるような思いで入会を決めた。決断してよかったと思っている。
終了後は渋谷から浅草まで移動し、木馬亭で真山隼人ツキイチ独演会に。昼間の定席では澤村豊子を偲ぶ公演が行われており、写真や花などが残されていた。この日の演目は国友忠・沢村豊子の十八番より「銭形平次捕物控 平次女難」を。お見事でした。

本日はこれから一日原稿を書いて、夜は朝日カルチャーセンターの講師をリモートで勤める。昨日原稿を書いてなくて進捗率が13.37%のままなので、本日中に25%くらいにはなるように頑張る。では。
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