2026年9月7日の杉江松恋

これからお通夜にいってきます。
杉江松恋 2026.09.07
誰でも

2026年9月7日。

杉江松恋が今月書かなければならない原稿、やらなければならない仕事は以下の通り。

レギュラー:週刊9・隔週刊2・旬刊3・月刊5・動画収録配信7・講座3・演芸会主催1

イレギュラー:月刊2(新規)・インタビュー構成2・文庫解説1・対談1・打ち合わせ2・理事会1・パーティー出席1・書き下ろし2

(前月からの積み残し)

レギュラー:旬刊1

イレギュラー原稿:企画書1

一昨日、昨日に続き、原稿を書けなかった。本日は急遽、懇意にしていた編集者のお通夜に出席することになったので、ここまで。まだそんな年齢の方ではなかったので動揺している。

 編集者とは完全に距離を置いて商売だけの関係と割り切って付き合うこともあるし、もう少し踏み込むこともある。べったりになるわけにはいかないので、節度が必要になる。向こうも商売でやっていることなので、単なる好意で付き合ってくれていると思ったら、それこそ勘違いである。編集者には、連載を終わらせたり、ライターへの仕事を止めたりする権限がある。編集権というもので、どんな相手であっても自分の作る本や雑誌、媒体のためにそうしなければならないのだとしたら、すぱっと切る。

目黒考二さんはそういう編集者だった。自分でも書いておられて有名な話だが、『本の雑誌』で長く続いていた連載を、ある日すぱっと止めた。結構人気もあったはずなのだが、書き手がある安易な手段に走ったのを見咎めたのだった。そういうことをせず、また元通りの原稿をくれるようになったら喜んで連載は再開させる、と宣言していた。だが、その連載は復活しなかった。目黒さんとその書き手とは旧知の間柄だった。決して個人的な感情のなせるわざではなく、あくまで品質の問題だったのだ。その思い切りが見事だった。

 私も最初はそれほど親しくなくて、あとから目黒さんとの距離が近くなった口だ。遠い関係だったころに抱いていた印象と、近づいてからのそれはだいぶ違う。距離が近くなってからのほうが尊敬の度合いは増した。編集者としての矜持を感じた。

 訃報が届くと、今でもやはり目黒さんのことも思い出してしまう。

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