2026年9月11日の杉江松恋

11月13日(金)、奈々福・広沢美舟が「日本国憲法」浪曲化に挑みます。
杉江松恋 2026.09.11
誰でも

2026年9月11日。

杉江松恋が今月書かなければならない原稿、やらなければならない仕事は以下の通り。

レギュラー:週刊8・隔週刊2・旬刊3・月刊2・動画収録配信6・講座3・演芸会主催1

イレギュラー:月刊2・インタビュー構成2・文庫解説1・対談1・打ち合わせ1・理事会1・パーティー出席1・書き下ろし2

(前月からの積み残し)

イレギュラー原稿:企画書1

 昨日はちょっと寝坊をしてしまい、午前中に書くはずだった原稿に手をつけられずに家を飛び出した。藤沢駅近くで、天中軒すみれさんと打ち合わせなのです。なぜ藤沢なのかというと、天中軒すみれさんが茅ヶ崎在住なのと、私が昨日から始まったフジサワ古書フェアを覗きたかったからだ。駅前のダイヤモンドビルに入った有隣堂藤沢店が年内で閉店してしまうため、その一画で行われている古本まつりも継続が危ぶまれている。おそらくは今回でおしまいなのではないだろうか。

売り場を見てから、近くの建物内にある喫茶店ですみれさんと会う。打ち合わせの内容はもちろん、今年5回公演を行った「夢枕獏・原作 浪曲陰陽師」に関してだ。来年の第3弾に向けて、あれこれ話した。その後藤沢から都内に戻って別件で相談と会食。結構話が弾んで遅くなる。

 本日は朝からいくつか原稿を片付けたが、小物ばかりなのでたいした金額にはならず。ここまでの原稿料で、9月末までに稼がなければならない額への進捗率は44.24%になった。ついでというか、動画収録も一つやっている。けっこう働いた。

 さて、今日は一つ大事なお知らせが。来る11月13日(金)19時より、東京都豊島区の自由学園 明日館講堂にて「奈々福、『日本国憲法』をうなる!」という浪曲会を開催する。出演は題名通り浪曲師・奈々福、曲師・広沢美舟で、進行役として私も登壇する。

 こちらは題名通りの内容で1947年5月3日施行の『日本国憲法』のうち、前文と特に重要な章の条文を、浪曲の節に乗せてそのまま聴いていただくというものだ。入場者全員に、小学館刊のビジュアル本『日本国憲法』が配られる。聴きながら条文を追うことが可能である。

『日本国憲法』についての言説が近年熱を帯びてきたが、一つ残念に思っていることがあった。言及している中に、いったいどれくらいこの大事な文章を熟読したことがある方があるだろうか、と私は疑わしく思っているのである。実際に目を通してみると、『日本国憲法』は格調高く、日本語として非常に美しい。そのままで鑑賞に足るものであると私は考えている。どんな議論をするのも自由だが、まずこの美しい文章を味わってみてはいかがだろうか、と思うのである。

 その企画意図に賛同してくださったのが奈々福師であった。浪曲は題材を自由に膨らませたり、この芸能の性格に合わせたものに作り替えたりするのが常であるが、今回はそれを一切行わない。奈々福は『日本国憲法』を前に置き、その通り、一言一句違えずにそのまま語る。そういう制約を自らに課した上で、ちゃんと浪曲として成立するか。広沢美舟の三味線に載せてうなることができるか、という挑戦なのだ。進行役として私も関わり、忠実に『日本国憲法』の世界を再現する手助けを行う。

 詳細は現在発売中の『サライ』10月号小特集をぜひご覧いただきたい。小学館が『日本国憲法』版元ということもあり、これは同社協賛の企画である。同社の『日本国憲法』は1982年刊行、44年にわたって版を重ね続けてきた。みなさんにも手に取っていただきたいと考え、協賛のお願いをしたところ、快諾いただけたのである。

 予約はチケットぴあから。下のチラシ画像をクリックすれば飛べるし、下にQRコードも置いてある。11月18日(水)開催の「木馬亭初舞台五十周年記念 木村勝千代独演会」と共にぜひお越し願いたい。以前から言っていた、11月13日の会というのはこれであった。他に類例のない浪曲会となることは間違いないと思う。

無料で「杉江松恋の本芸」をメールでお届けします。コンテンツを見逃さず、読者限定記事も受け取れます。

すでに登録済みの方は こちら