立川寸志さんの百五十席・前編
祝・真打昇進。おめでとう、寸志さん。
杉江松恋
2026.10.23
読者限定
立川寸志さんのことを書こうと思う。
10月21日に東京・渋谷区文化総合センター大和田のさくらホールをほぼ満員にして、寸志さんの真打披露目興行が開催された。落語にあまり詳しくない方のために書くと、そういう会では真打を囲んで他の師匠方が並び、口上というものが行われる。司会は寸志さんとは一年違いの先輩・立川吉笑が務め、談志直弟子の高弟である立川龍志、落語立川流副会長の立川談春、そして寸志さんの師匠である立川談四楼さんが口上に並んだ。口上は真面目一途ではなくその日の主役をいじるのが慣わしになっているが、この日もやはり年齢のことが恰好の話題になった。59歳○○ヶ月での昇進なのである。戦後2番目に高齢の新真打ということになるのだそうだ。談四楼一門には高齢での入門者が多く、師匠はよく「一緒に滅びよう」と冗談交じりに言っている。
その談四楼さんは今年の初頭に脳溢血で緊急入院し、現在もリハビリに努めている。先日寸志さんの真打披露パーティーがあった際にひさしぶりにお見掛けした。実は年末にさしでお会いして、いろいろと話したばかりだったので、御病気のことは本当に衝撃だった。後に書くように談四楼さんは私にとって落語における親のような存在なので、ご病状については軽々しく書きたくない。ご快復を祈るばかりである。